稲作民俗の源流   Folk customs of rice growing in the world and Japan  
      神饌・唐菓子(ゆとう・ぶと) 小泉芳孝      

         春日若宮の「ぶと
         日枝神社の「ちん」
         月読神社の「ゆとう」
         下鴨神社の「ぶと」
         大和神社の「ブトノクチ」
         祇園社の「ぶと」
         神仏に共通する神饌
         談山神社の「百味の御食」
         春日若宮の「御染御供」
         白山神社の「百味の御食」
         佐牙神社の「百味」
         酒屋・両社神社の「笠餅」

                      

  唐菓子

唐菓子は、中国から渡ってきたお菓子で、油で揚げたものである。

「月読神社」の唐菓子

京都の京田辺市にある「月読神社」では、秋祭りに「ゆとう」という
唐菓子の神饌を竹のザルに載せてお供えする。
この神饌は、米粉を熱湯で練って薄く延ばし、柚の葉を一枚はさみ二つ折に折って、
重ねた周囲を手で押さえて油で揚げたものである。

米粉1リットルで15個作っている。


    月読神社の「ゆとう」

春日大社の唐菓子

春日若宮の唐菓子としての「ぶと」は、内部に莽草葉を入れて香を移し、常には「ぶと」
「梅枝」「三梅枝」・・・などがあった。
「ぶと」の作り方は,米粉を水で練り、忌火により精鑞で蒸したあとねそれぞれの大きさにちぎって丸め円形にのばし、ひれを二つに折って、とじ目を指先で縄目模様にひっつけたものを菜種油で揚げる。
これらは宮中や加茂・松尾・厳島社などへ伝えられたが、今は廃絶している所が多く、春日の神饌には古式が続いている。



    春日大社の「唐菓子」 古文書から

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